■ ドメスティックバイオレンス

●ドメスティックバイオレンス 

 夫婦間・パートナー間の暴力をドメスティック・バイオレンス(DV)といいます。
DVは、これまで家庭内の問題としてみすごされてきました。しかし、DVは、外からは発見しにくいという、とても深刻な人権侵害なのです。
暴力は繰り返され、だんだんエスカレートするという傾向があります。
DVの被害の深刻化を防ぐためには、早期の対応が大切になります。
 また、身体的暴力に限らず、精神的、経済的、性的等、あらゆる形の暴力が含まれます。

●DV防止法

正式名称は「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」と言い、平成16年に改正されました。

●DV防止法の「配偶者からの暴力とは」 

 この法律で規定する「配偶者からの暴力」は、婚姻関係にある間柄の暴力だけではなく、婚姻の届出をしていない「事実婚」の関係にある暴力も含まれます。
また、平成16年の改正により、離婚後(事実婚状態の解消後)も引き続いて暴力を受ける場合も対象となりました。
さらに、改正前は、殴る蹴るといったような身体的な暴力のみが対象でしたが、今回の改正により、身体的な暴力だけでなく、身体的な暴力に準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動も対象となりました。

なお、保護命令に関する規定等については、身体に対する暴力のみが対象となりますが、どのような形態の暴力も、被害者の尊厳を深く傷つける行為であり、決して許されないことに何ら変わりはありません。

●保護命令

 配偶者からの更なる身体に対する暴力によりその生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいときは、裁判所が被害者からの申立てにより、加害者に対し保護命令を発します。
申し立てができるのは、配偶者又は元配偶者から身体に対する暴力を受けた被害者本人に限られます。
本人に代わって親族等が申し立てることはできません。

命令には、「接近禁止命令」「退去命令」の2種類があります。

 接近禁止命令
接近禁止命令とは、加害者に、被害者への身辺へのつきまとい等を6か月間禁止するものです。
平成16年の改正で、被害者だけでなく、被害者と同居する子についても接近禁止命令を出すことが可能になりました。
再度の申立ても可能です。

 退去命令
退去命令とは、加害者に、2か月間、住居からの退去を命じるものです。
再度の申立ても可能です。

※保護命令に違反した者には、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。

●保護命令の前に

 保護命令申立書には、事前に警察署または配偶者暴力相談支援センターや女性相談センターなどの「DV相談センター」に相談した事実を記載しなければいけません。
事前に相談に行っていない場合は、公証役場で「宣誓供述書」を作成し、これを申立書に添付します。
※宣誓供述書とは、公証人の前で書面に記載してあることが真実であると宣誓したうえで、署名、押印した証書のことです。

●緊急時

 今現在身に危険が迫っている場合、躊躇せず警察、配偶者暴力相談支援センターへ相談しましょう。
一時保護の制度を利用して、婦人相談所などの配偶者暴力相談支援センター等に逃げ込むことが可能です。
施設は加害者にあなたの居場所を教える事はしません。
このような施設は都道府県によって異なりますので、確認も兼ねて早めに相談へ行く事をお勧めいたします。

●その他

 DVの被害が及ぶおそれれがある場合は、DV防止法に基づき予防措置ををとることになります。
しかし、実際に生命・身体に危害がおよび、傷害、暴行、脅迫、強姦などの刑法に触れる時には、刑事告訴して処罰を求めることができます。
夫婦間でも暴力は犯罪ですので、加害者は刑罰に処されます。
また、DVは不法行為でもありますから、民事訴訟で慰謝料請求等の損害賠償もできます。
離婚をする際に裁判になった場合、DVの事実が確認されれば間違いなく離婚原因として認められるでしょう。


2004年世界遺産五箇山
岡村正人
所長 岡村 正人  
昭和54年中央大学法学部
一部法律学科卒
東京都社会保険労務士会所属
東京都行政書士会所属
国際行政書士協会会員
八王子商工会議所会員

岡村AMEBAブログ
中日新聞掲載
中日新聞掲載